極道の紋章(やくざのだいもん) 第参章


突然、何の脈絡もなく画面に映し出されるケバい女。
長ネギが入ったレジ袋をぶら下げ、虚ろな目で昼間の商店街をぶらついている。
売れないロックシンガーか、歓楽街の邪(よこしま)な女神か、あるいはヤクザの女か。
定まらない視線は、恐らくシャブでも打っているに違いない。


この後、繰り広げられるであろうバイオレンスシーン、あるいは濡れ場シーンを想像し(笑)、胸が高鳴る。
なかなか良い、登場の仕方だ。


道頓堀近くの、マンションの一室。
映し出されたのは、ちゃぶ台の上の2つの麦茶。
キッチンに立つの女の姿が、妙に色っぽい。
川谷組に追われ、女のマンションに転がり込んだのは、元沢村組の特攻隊・遠藤光司。
一見、真面目な好青年にしか見えないが、それもシノギの為の計算か?


玄関のチャイムが鳴る。
宅配業者を装う声に女がドアを開けると、旭西会・柳田組の手下たちが乱入し、男は後ろ手に捕らえられ、女は口を押さえられ羽交い絞めにされる。
連れ去られる男に、女は潤んだ瞳で「アンタ…」
こんなとき男は、辛く、苦しく、やりきれない。


韓国への高飛びの為、男と女は京都・舞鶴港で落ち合うことに…
女は急いで荷造りを行い、柳田組の用意した車で港へ向かう。
車窓から入る風が女の頬を撫でる。期待と不安に満ちた女の表情が美しい。
しかし、後ろから川谷組が尾行していることには、誰も気付かない。
港に到着すると、女は車を降りて男の元へと駆け寄る。
「アンタ…逢いたかった…」
暫く抱擁し合う二人。


程なく川谷組の車が到着。
そして、鳴り響く銃声。
「アンタ!!」という女の悲鳴とともに、さらに銃声が2発。


さて、この男女の運命はいかに…


以上、ネタバレしないギリギリの範囲で、姫の出演シーンのご紹介。


今回の姫の役は、名の無い役でありながら出演時間も長く、ストーリーの行方を左右する重要な役。
決して台詞は多くはないが、その分、立ち回りや細かい表情といった演技力が物を言う役とも言える。
その点で、姫の今回の演技は、可もなく不可もなくといったところか。
この手の「あばずれ女」役は、私の知る限り月曜ミステリー劇場に続いて2回目となる。
例えば写真集「MIHO」で見せた妖艶な部分などをもっともっと生かせれば、この路線で大成する可能性はあった(ある)と思うが、どうだろうか。
ご本人はアクションシーンがやりたかったのかな。そのため(?)にムエタイを習っていたという話もあるし、勿論それも見てみたかったけど…


それにしても、エンディングのクレジット(スタッフロール)が、『城山美帆』になってるし…どうりで発売後半年も気付かなかった訳だ。
頼むよ、GPミュージアムソフトさん。姫の名前は『城山未帆』ですから。


城山未帆 写真集

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極道の紋章 〔第参章〕 [DVD]

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